◇◇ 私の楽しみ ◇◇
加藤益弘
皆様、大変ご無沙汰しております。平成25年6月に会長職を退きすでに4年と半年が過ぎました。皆様お元気でお過ごしと思いますが、私も元気にしております。4年9ヶ月の大学勤めを終えた後は、この4月からバイオベンチャーに移ります。少子高齢化が進む中、少しでも長く働いて日本のためになればと思っています(邪魔をしないように気をつけます)。
ㅤさて、長い人生を充実して過ごすためには、それなりの人生の楽しみを持つと良いのではないかと思います。私の場合は、それがワインであったり、下手くそなゴルフであったりするわけですが、本日はそれ以外の趣味の一つとして絵画についてお話しさせていただきたいと思います。少々、おつきあいのほどをお願い致します。
ㅤ私の父は35年ほど前に亡くなりましたが、絵が好きな人でした。子供の頃写生について行ったり、父が大晦日まで木版画で年賀状を作っていたのを見たりして育ちました。その影響もあり、昔から絵を描くのが好きでした。AZの前の住友製薬時代からスケッチやクロッキーを楽しんでいました。私が会社の会議中に人の顔の絵を落書きしていたのを覚えている方もいらっしゃると思います(集中していなかった訳ではないですが、御免なさい、お詫びします)。私の絵好きには、他にもこんなエピソードがあります。
ㅤ住友製薬の研究所で課内旅行があり、他の課の方達と一緒に日本海側に遊びに行った時の話です。ある女性の方が窓際に座っていた姿が絵になると思い、ささっとスケッチをしました。ところが、その一行の中に私のフィアンセが居たのです。もちろん別の女性です。そのあと今の家内に酷く怒られたことを覚えています。その時は純粋に絵のことを考えていたのですが、家内が怒るのも当然ですね。
ㅤそもそも、今の油絵を本格的に始めたのは、以下のような経緯(いきさつ)からでした。ある時、異業種の人々が集まる会で目の前に座られた方と話していて、絵が好きなことをお話ししたら、その方がある画壇に所属されていて画壇に入ることを強く勧められました。もう17、8年前のことです。その画壇が、新槐樹社(しんかいじゅしゃ)でした。兵庫支部長の故川勝茂弘先生に師事しました。2、3年ご指導を頂いたのちに、新槐樹社の本展(公募展)に出品することを勧められそれ以来、毎年出品しています。絵は油絵でいつもF100号という大きさの絵を2枚出品しています。F100号は1,300mm x 1,630mmの大きさです。その他にも支部展や有志の展覧会にF20号の絵を出品しています。写真は、一昨年の展覧会に出品した時のものです(飾る人、というタイトルです)。エチオピアのほうの原住民で芸術的なボディーペインティングをする部族があります。そこから画題を選びました)
ㅤ展覧会に来ていただいた方達がほぼ100%質問されるのが、この大きな絵を描くのにどのくらい時間が掛かったのかということです。絵に対するコメントは、もっと少ないです(笑)。測ったことはないのですが、一枚あたり数十時間でしょうか?しかし、大変なのは時間より、中身です。
ㅤ毎年、次は何を描こうかと思い悩みます。100号に適した画題というものがあります。例えば花の絵を100号に描くのはかなり難しいと思います。ようやくテーマを決めて、描き始めますがある部分にどの色をどう塗るか、数時間考え続けることもあります。また、決まった描き方になってしまうこともあったり、自分では客観的に見ることができないので、良いと思い込んでしまったりして失敗することも多々あります。幸い、家内も絵が好きで、評論家として批判してくれますので助かっています。もっとも、中々素直に聞けないところがまだまだ私が未熟なところです。
ㅤでも、やはり自分の思っているイメージが出て来たり、色の具合がよかったりするととても充実した気持ちになれます。また、画壇の本展では多くの仲間たちがそれぞれ思いのこもった作品を出品するので、とても刺激的であり勉強にもなります。画壇の本展は、毎年2月の初旬に六本木の国立新美術館で開催されます。また、大阪市美術館や京都市美術館でも巡回展が開催されますのでご興味のある方はぜひご高覧いただければ幸いに存じます。
ㅤ長い話におつきあいいただきありがとうございました。落語のようにオチがある訳ではありません。申し訳ありません。しかし、この話を読まれて、皆様も、何か自分を忘れることができるような趣味を持ちたいと思っていただければ幸いに存じます。
最後になりますが、皆様方の益々のご健勝を祈念しております。
平成30年2月吉日
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