「さまざまな顔を持つ国 トルコ」
「世界がもしひとつの国であったなら、その首都はイスタンブールである」とは、かのナポレオンの言葉だそうです。英雄をも魅了した街を有する国、トルコ。西洋のようでもあり、東洋のようでもあり、中東やアラブのようでもある、様々な文化が混ざった独特の雰囲気を持った国。今回このトルコを少しご紹介させてもらいます。
まず驚かされるのは、古代ギリシャ、ローマ遺跡の多さです。トルコの西南部に多く点在し、現在でも発掘中のところが多くあります。
トロイの木馬で有名な「トロイ遺跡」、ペルガモン王国の都の跡の「ベルガマ」(19世紀に発見されましたが、神殿をドイツに持ち去られてしまい、現在ベルリンのペルガモン博物館が収蔵しています。)、古代の総合医療センター「アスクレピオン」、世界屈指のギリシャ・ローマ遺跡「エフェソス」、2017年に新しく世界遺産に登録されたローマ遺跡「アフロディスィアス」等など、世界でもトップクラスの古代遺跡が点在しています。
【写真紹介】
1:ベルガマ遺跡
2:エフェソスの彫像
3:エフェソスのセリシウス図書館
4:アフロディスィアス遺跡
5:エフェソスのレリーフ
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皆さんご存知のように、トルコはイスラム教国家であり、多数のモスクが立ち並んでいます。イスラム教に馴染みの無い人から見ればどれもドームがあって似た様な作りに見える事でしょうが、中には”オスマン建築の傑作”や”世界一美しいモスク”とも呼ばれる「スルタンアフメットモスク」(通称ブルーモスク)などがあり、イスタンブール観光の目玉になっています。モスクはトルコ語でジャーミィ(camii)と言われ、それぞれに歴史的重要な文化遺産で、その多くは歴代スルタン(王)たちにより建てられたものです。
スルタンアフメット・ジャーミィ(ブルーモスク):イスタンブールといえばブルーモスクというくらい、もはや代名詞ともなりつつあるこのモスクは、1609年から7年の歳月をかけ建造されました。それ以来、イスラムの聖地として多くの信仰者が訪れるだけでなく、その端正な容姿で多くの観光客を集めています。青みがかったドームは、イスタンブール旧市街どこを歩いていても見ることができます。ブルーモスクを含め、モスクの周りには尖塔が建っていて、これらはミナレットと呼ばれ、そのモスクの権威を表しているといいます。
アヤソフィア:イスタンブールが東ローマ帝国に支配されていた時代、イスタンブールはコンスタンティノープルという名称で都として栄えていました。東ローマ帝国の国教だったキリスト教の宗派、ギリシア正教の総本山として繁栄したのがこのアヤソフィアです。しかし、のちにイスラムを国家宗教とするオスマン帝国にコンスタンティノープルが占領された時以来、アヤソフィアはモスクとしての役割をなすようになります。このようにイスタンブールの宗教に翻弄された歴史を一身に表現しているアヤソフィアは、イスタンブールの縮図ともいうべきモスクではないでしょうか。
【写真紹介(写真同好会9月 MW トルコ紀行)】
6:コンヤ メヴィラーナ博物館
7:サフランボルのモスク
8:イスタンブール アヤソフィア
9:イスタンブール ブルーモスク
10:イスタンブール オルタキョイ メジディエ・ジャーミィ
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トルコ・イスタンブールへ旅行に行ったら絶対に訪れたい場所の一つが「グランドバザール」と「エジプシャンバザール」です。
「グランドバザール」は世界最古の屋根付き市場で、広さ30万m2の敷地内に約5,000もの店舗が軒を連ねる巨大市場です。イスタンブールで最も大きなこの市場には、1日だけで20万人から40万人もの人々が訪れます。
グランドバザールでは、トルコの伝統菓子「ロクム」や「はちみつ」などの食料品をはじめ、「スカーフ」「ショール」などの布製品、さらに化粧品から、宝石、ベルト、マグネット、タイルまで、ありとあらゆる物をこのバザールで購入する事ができるので、お土産探しには、これ以上にない場所と言えます。
また、「エジプシャンバザール」は、かつては90軒近く香辛料の店が並んでいだ事から、別名スパイスバザールともいわれ、現在はかなり減少しましたが、それでも色鮮やかな数々の香辛料が軒先に並ぶ様が楽しめます。
【写真紹介(写真同好会8月 MW トルコの街角)】
11:サフランボルのレストラン
12:グランドバザールの店先
13:グランドバザールでのチャイの出前
14:エジプシャンバザールの香辛料店
15:エジプシャンバザールの天井
以上簡単で、取り留めのないトルコの紹介で恐縮ですが、まだまだ紹介しきれない魅力がたくさんあります。少しでもトルコの魅力に興味を持っていただけたら幸いです。
2018年11月 和田守世
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