予定がない日の日課の始まりは、朝食前に16歳になる老犬(テリアとシベリアンハスキーの雑種)「モジョ」の散歩と我が家のちっちゃい農園の見回りです。
退職後、本や友人の農業のプロ、農協で教えを乞いながら見様見まねで始めた野菜作りもかれこれ10年になります。
☆土作り
野菜作りに欠かせないこと、其れは、一にも二にも土作りだと教わりました。私は農薬を一切使用しないのですが、さすがに有機栽培はとても無理で、化学肥料を使います。野菜作りに適した土は、化学肥料だけでは到底達成できません。土を育てるには有機堆肥が重要です。
私は、野菜作りを始めて、当初の数年間は250坪弱の畑地に毎年、軽トラック4台分の熟成牛糞堆肥、2台分の木くず堆肥(木くずを数年間積み上げて寝かせて作った)、さらには鶏糞100kg余りを施していました。最近ではその量は減りましたが、それでも毎年牛糞堆肥と友人から頂く稲わらは欠かさず施肥し、土を肥やすことに腐心しています。と言うのもこの畑は、もともとは水田であったのを畑にする際に山の赤土を大量に入れたため非常に痩せた土地でしたが、今では土壌改良の努力もあり、お百姓さんの農地と遜色ないまでになったと感じています。
☆多彩な野菜・果物の作付け
我が農園では、毎年少しづつ新しい作物の作付けに挑戦し、今では多種多様な野菜が育てられるようになりました。
秋・冬には、大根、ニンジン、蕪、玉葱、ジャガイモ、ニンニクなどの根菜、白菜、キャベツ、レタス、ホウレンソウ、チンゲン菜に水菜、ネギなどの葉物野菜、エンドウ、絹さや、最近はやりのスナップエンドウ、ソラマメの実もの野菜、それに美味しいイチゴなどです。
また、春・夏には、今が収穫期のトウモロコシ、トマト、胡瓜、水ナス、長ナス、オクラ、ニガウリ、サンド豆また、夏から秋に向けて収穫を迎える里芋、スイカ、マスクメロン、南瓜、冬瓜、サツマイモ、赤紫蘇、しょうが、枝豆、イチジクが育っています。
スイカは今年も順調のようで、既に大きなものはサッカーボールほどに育ち、大小とり交ぜ30個余りが実をつけています。スイカは水に弱いので、この梅雨の雨が心配ですが、梅雨明けの太陽の恵みを受ければ、(スイカの取入れどきは、その日の日中の気温×日数=1,000を超えたころと言われています)今年も大きな美味しいスイカが実るのを楽しみにしています。
このスイカとイチゴ作りは私の一番の自慢です。趣味仲間やプロから褒められ、密かに一人ほくそ笑んでいるのですが。
☆農業の厳しさ
先日も例にもれず、モジョの散歩と畑の見回りをしたのですが、夜来の雷雨と暴風で折角成長し受粉が始まったばかりのトウモロコシが軒並み倒れ、中には根元から折れて無残な姿を晒しています。慌てて、支柱を立てて、6割程度は何とか実ってくれるよう祈るような気持ちで手当をしました。
農作物は、土壌の酸性化のコントロールや肥料の施す時期や量もさることながら、雨・風・日照り・寒さ・暑さ・霜などの自然と向き合いながら育てていかなければなりません。私のようなアマチュアには、昨年上手くいったからと言って今年も同様になるとは限らないのです。
事実、今年はジャガイモが豊作で近所の皆さんや遠く四国、東京の友人に送ることが出来ましたが、エンドウ類は気候不順の煽りを受けて不作でした。また、例年大きな良い玉葱が出来ていたのに、今年の玉葱は一部葉が枯れる病気にかかってしまいました。こうなると農薬を使わない私の場合、泣く泣く廃棄しかありません。
日頃、何気なく食している食べ物も、生産者の根気強い日々の手入れと作物への愛情が気儘な自然の嫌がらせとも思える試練を乗り越えて作られていることを感謝と共に実感しています。
☆野菜作りの楽しみ
夏の日照りや雨不足、冬の霜や嵐に一喜一憂し、日照りで乾燥した野菜にポンプで水路から水を汲み上げ汗だくになりながら散水し、冬にはビニールのトンネルで霜を防ぎ、また旺盛に伸び放題の雑草と格闘しながら、やっと迎える実りの時の充実感、ほんの一時でも何ものにも代えがたい満足が有ります。その上、たくさん採れた野菜類をご近所や友人にお裾分けでき、美味しく頂いたとのメールを頂いたときの嬉しさは格別です。
今の時期は、胡瓜や水ナスの最盛期で、泉州特産の水ナスの糠漬けを家庭で作ることに挑戦し、自家製のお漬物を食しています。
それに、畑仕事をしていると、私同様に趣味で野菜作りを始めた幼馴染の友人達とは勿論ですが、通りすがりの初対面方々とも野菜の育て方や堆肥や肥料について、自然と話が弾み新しい知己を得ることになります。これも何ものにも代えがたい老後の楽しみです。
私の百姓日誌を紐解けば、独り善がりの自慢を交えてまだまだ書くことがありますが、取り敢えずの自慢はこれぐらいにしておきます。
これからも、体力が続く限り、晴耕雨読の毎日を続けていきたいと思います。
2016年6月29日 深見秀雄 記
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